「獨和辭典」
2020年8月16日
終戦の日。
第二次世界大戦を知っている、この古い古い辞典を(中身の意味はほとんどわからないのですが)、大切に開いてみました。
「森一郎」という祖父の字。 「Kazu Mori」という母の字。
そして、辞典にハギレを縫い付けた祖母の丁寧な手仕事。
初版は昭和十一年とありますが、この辭典は「二一二刷」、昭和十九年に発行されたもの。
相当使い込まれていたこともあり、擦り切れたり、背表紙の接着剤が劣化したりで、ボロボロなのですが、こちらの縫い目は少しも緩んでおらず‥。
私の最強の宝物です。
戦争のこと、もっと聞いておけばよかった‥。 祖父母の口はあまりにも重く、母はそのことになると途端に泣いてしまって、なかなか聞き出せませんでした。
先の戦争の尊い犠牲の上に私たちがあるのではなく。 尊い命と生活の夥しい犠牲の下に私たちは生きているのだと思います。
感謝。
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