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[317] 2006年 5月21日(日) 10:29
体験記 |
まきさん、みなさん、こんにちは。 代理出産について、いろんな意見がかわされること、嬉しいことですね。 今日は少し、自分のことについてお話させてください。 私はロキタンスキー症候群という先天的に子宮および膣の一部が欠損している病気です。卵巣は正常ですから第二次性徴はあるわけですが、子宮がないために生理はありません。排卵された卵子は体内に吸収されています。 18歳になっても生理がこなかった私。体は女性の体つきになってきているのに、なんでかな?病気かな?と毎日、悩みました。当時は今のようにインターネットも普及していません。調べることと言ったら、図書館や本屋での立ち読み。それでも得る情報は微々たるものでした。薄っすらと「私は、子供の産めない体なのかもしれない」と不安を抱きながら、両親の離婚で母親がいなかった私は、誰にも相談できませんでした。 しかし、いつまで経っても生理がありません。思い切って、離れて暮らす母に電話してみました。母は、一緒に産婦人科についてきてくれました。個人病院だったので、いきなり「ここでは無理です。紹介しますので、こちらの病院に行ってください」と言われました。紹介していただいた病院に行くと、診察後すぐに「先天的に子宮が欠損しています。手術で膣を作り、性交渉だけはできる体にしたほうがいい」と宣告されました。私は、何を言われているのか全く理解することができなかった。母は泣きながら「私の子宮を娘に移植してください」と医師に懇願しました。 私は、18歳のとき、このようにして、これまでなぜ自分に生理がなかったのかを知りました。生まれつき子宮がないと言われてしまうこと。それは、「女ではない」と言われるようで、とても辛かったです。私は結婚もできない。恋愛もできない。子供も産めない。悲観にくれる毎日でした。死ぬことも何度も考えました。 でも、生きました。ナイチンゲールは生涯独身で看護に身を捧げた。私も、こんな体に生まれたのなら、生涯独身で看護に身を捧げよう。そう思い、看護師を目指しました。 看護師になって数年。主人と出会いました。主人と私。今、二人の子供に会うために頑張っています。義両親も実両親も兄弟も皆、応援してくれ協力もしてくれています。 代理出産という制度。賛否両論あるのは当然です。だって、それぞれの立場からしか意見は出せないから。自分で出産した人、あるいはできる人、命にかかわるような病気の宣告のあと子供を産めない体になってしまった人、生まれながらにして子宮を持たない人。それぞれが、それぞれの経験で代理出産について考える。DNAにこだわってるだけ。そう言われてもいいです。だって、それも間違いじゃないから。私は主人と私の子供がほしい。子宮がない私。でも、卵巣は正常だった。その卵巣から卵子を取り出して主人の精子と受精させたときのあの受精卵の姿。かわいかった。私の血を受け継いだ受精卵だと感動しました。私もちゃんと女だったと初めて女性である証を見たような気がしました。 生まれながらにして子宮がない。そんなふうに生まれてきた女性の気持ちも、大きな病に立ち向かわれた末に、代理出産に希望を見出した人の気持ちも、やはりその当事者でなければ気持ちは理解できない。 こんな体に生まれたからと言って、代理母に対して「産みの道具」と思っているわけでもない。 こんな私のことを理解し、力になってくれる人との出会いは、本当に感謝してもしきれないくらいです。 いろんな意見がかわされることはとても嬉しいことです。 でも、結局のところ、いろんな事情をそれぞれが抱え、代理出産をするしないかはそれぞれが決めること。反対だと思う人は、自分がそのような体になったとしても、しなければいい。結局はそういうことです。 代理出産に希望を抱いている人が、励ましあい、反対の意見やいろいろな意見も真摯に受け止め、そうして夢や希望へ向かっていくことが大切だと私は思っています。 まきさん。あなたの提供してくださった情報やサイト、全て存じています。 ご自身もお辛い経験の中、いろんなお話を聞かせてくださってありがとうございました。また、お話できることを願っています。この話題だけじゃなく、いろんなお話ができるといいですね。まきさんも頑張ってください。 |
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