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「病院は安心できる場所でなくちゃ!!!」

2006年1月8日

連れ去られてしまっていた赤ちゃん、無事に保護されてよかったですね。
憎むべきは犯人ですが、・・・それにしても、日本の病院の無防備さには呆れざるを得ません。
私も入院中、4〜5人のチームを組んで病棟へ入り込んできていた写真週刊誌のカメラマンたちに廊下を歩く姿を隠し撮りされ、その日のうちに、「写真を撮りましたので、来週号に掲載します」と、イケシャアシャアと言われた経験者ですので、もう言わせてもらいたいですよぉ。
手術の影響で、自力で尿を出すことができなくなっていた頃のことでしたから、そのリハビリと導尿のため、片手で点滴台を引きずりながら、もう片方の手には尿瓶を持ってトボトボ歩いていた私・・・。
そんな写真を撮って何が楽しいんだろうというのもありますし、さらに驚いたのは、病院関係者が漏らしたという、私の病状や手術の日時、その後の経過についての詳しいこと詳しいこと。 
写真も記事も公にしないよう、出版社にいくら頼んでも止めることはできず、個人情報の保護なんてあったものじゃなかったです。

それまでの私は、テレビの仕事を休んでいる理由を「子宮内膜症悪化のため」としていたのですが、・・・あっという間に、非常に多くの人へ、私はガンで子宮摘出をしたタレントであることが知らされてしまいました(ちなみに、病院を抜け出して記者会見を開いたのは、写真誌発売の2日後、毎日の放射線治療の真っ最中でした・・・汗)。
もし、病棟のセキュリティが万全だったら、病院の守秘義務が守られていたら、写真週刊誌に人としての情けがあったなら、・・・今頃、私はどんな生活をしていたのでしょう?

昨夜は、そんな気持ちが渦巻いて、まんじりともできませんでした。
が、赤ちゃんが見つかったと聞いて、とにもかくにも安心しました。
ただし、病院へ出入りする人間を厳重チェックする体制を、絶対に絶対に整えてほしいという思いだけは強烈に残りました。
アメリカの病院で、保育器に入っていた万里と結太を日に何度も抱っこしに通っていた頃のことを振り返ると、セキュリティチェックの厳しさは本当に完璧でした。
警備の人だって私ら夫婦の顔は飽きるほど見ているのですが、それでも、病棟に入るたびに一人一人パスポートの提示を求め、必ず用紙に時間と名前と訪問先を記入、ナンバリングのしてあるバッジをもらって病棟へ入り、そのまた先の新生児室のドア前で、もう一度、カメラでチェックを受けつつ、自分の名前と面会する患者の名前を答えさせられ、その答えが正しいかどうかを先の警備員と確認し終わったとき、・・・やっと、子供たちの待つ部屋のドアが開くのです!
いざというとき、ナースコールができない赤ちゃんや体力の弱っている患者さんへの面会については、もうこのくらい徹底して当然なのかもしれませんね。
それだけ、世の中におかしな人が増えているということで、複雑な気持ちになってしまうのですが。

病院のNICUの前にいつも座って目を光らせていた、肝っ玉母さんのような女性を思い出し、・・・今、ちょっと楽しい気持ちになりました。
「赤ちゃんの連れ去りが多いから、ここまでしなくちゃならないの。ところで、あなた、咳をしていたわね。風邪をひいているのなら、ベビーのために帰ってちょうだい」と、ビシビシ言う人だったけれど、子供たちが退院するときは、ステップを踏んで身体を揺らしながら喜んでくれたっけ。
よし、最後に楽しい映像が浮かんできたところで、今夜は爆睡したいと思います。